『O嬢の物語』(ポーリーヌ・レアージュ 河出文庫)

内容は、訳者が渋澤龍彦で表紙カバー絵が女性の乳首を指でつまんでいる絵っていうことから想像してくだされ(投げやり)。一言でいえばSM小説、誤解をイロイロ招きそうな言い方なのだが、最大公約数としてはやはりこれかと思われ。わしとしてはそんなに面白いと感じたわけではないのだが、(つっても第一章「ロワッシーの恋人達」はなかなか読ませるところ)、んならばなんで取り上げたかっつーと、わしがよく利用している近所の本屋っていうのがこれがなかなか商売熱心というか企業努力をしているっていうか、よく出版社がやっている「○○文庫の百冊」とかいうキャンペーンもどきを独自にやっていて、しかもこれがまた実に念が入ってて選ばれた本に紹介文を書いた帯まで独自に作って取り付けてるんだよね、んでもって最近のキャンペーンで取り上げられたテーマっていうのが「せつない恋愛小説」だったと、それでもってこの本がその中に入っていたんだな、これが。『O嬢の物語』が「せつない恋愛小説」でっか?確かにとりようによっては「せつない」かもしれんし「恋愛小説」といえないこともないかもしれんが(ちょっとというかかなり苦しい)、イヤまあなんというか…これを選んだ人にはどういう基準で選んだのかを聞いてみたい。決してバカにしているわけではなくて真面目に興味がある。